
ジャストシステム社から日本におけるエフェメラルSNSの利用に関する実態調査が発表されました。
それによると「SNOW」の利用率が「Instagram」を抜いたという結果が出たそうです。

- 出典:「消える系SNS」の利用に関する実態調査(株式会社ジャストシステム)
従来のSNSでは基本的に、自分が投稿した文章や画像などは意図的に「削除する」というアクションをとらないかぎり、そのSNS上から消えることがありません。
これに対し「エフェメラルSNS」では、投稿した内容は一定時間を経過すると自動的に削除されます。このことから「消える系SNS」などとも称されます。
エフェメラルSNSの代表格「Snapchat」
エフェメラルSNSのサービスとして最も有名なのが2011年9月にアメリカのスタンフォード大の学生が立ち上げたSnapchatです。世界的にティーンエージャーを中心に爆発的な人気があり、2016年6月にはDAU(日間アクティブユーザー数)でSnapchatがTwitterを抜いたと報道されました。
Snapchat | 1億5000万人 | 1億3600万人 |
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Snapchatは日本でも昨年末あたりから人気が出始め、2015年12月から2016年4月までの4ヶ月間でアクセス数が2.5倍も増加したというデータがあります。

Instagramの参戦とSnapchatからの流出
エフェメラルではない従来のSNSへの影響も大きく、Instagramに至っては「投稿した写真が24時間後に消える」というエフェメラルな「ストーリー」という機能が2016年8月に実装されました。InstagramのCEOはこの「ストーリー」のコンセプトから実装手法、細かい機能などが「Snapchat」と似ているという指摘に対して、以下のように発言してそれを認めたそうです。
そのとおり。すべての功績はSnapchatのものだ。
ゼロから新しいプロダクトを考えつくのは不可能だ。 しかし「このフォーマットはここがすごい」と見極めて、それを自分のサービスに適用することはできる。
Snapchatは非常にいい仕事をした。Facebookもいい仕事をした。Instagramもいい仕事をした。われわれはみないい仕事をしたと思う。彼らはあれを発明した。われわれはこれを発明した。そういう世界だ。
日本ではアメリカなどに比べてエフェメラルSNSの認知度はまださほど高くありません。そんな中、韓国の「SNOW」が検討し、Instagramが「ストーリー」をリリースしたことで、Snapchatにとっては苦しい状況となっているようです。本記事冒頭で紹介したジャストシステム社の調査の中では、Snapchatユーザーの約3割がInstagramへの乗り換えを検討しており、引き続きSnapchatを使い続けたいというユーザーは2割強ほどであるという結果が出ています。

- 出典:「消える系SNS」の利用に関する実態調査(株式会社ジャストシステム)
おわりに
今後、エフェメラルSNSが日本でどの程度普及するのか、そしてどのエフェメラルSNSサービスが生き残るのか、引き続き注視していこうと思います。